みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。
と気になっていませんか?
今回紹介する1冊はコチラ。
本書は、評論家の筆者が
「一緒に走りながら考えてもらう」
ために記した一冊です。
それでは今回も書評に移っていきたいと思います!
速いインターネットの問題点
思考停止を生み出している
現代のインターネットは人間を「考えさせない」ための道具になっている。
かつてもっとも自由な発信の場として期待されていたインターネットは、いまとなっては、もっとも不自由な場となり僕たちを抑圧している。
(中略)
一方では予め期待している結論を述べてくれる情報だけをサプリメントのように消費する人々がいまの自分を、自分の考えを肯定し、
安心するためにフェイクニュースや陰謀論を支持し、拡散している。
そしてもう一方では自分で考える能力を育むことをせずに成人し、「みんなと同じ」であることを短期的に確認することでしか自己を肯定できないいやしい人々が、
週に一度失敗した人間や目立った人間から「生贄」を選んでみんなで石を投げつけ、「ああ、自分はまともな側の、マジョリティ側の人間だ」と安心している。
YouTubeで動画を見るとき、コメント欄にどんな言葉があふれているのか気になってしまうこと、ありませんか?
コメント欄を見るとき、無意識に自分と同じ意見を探してしまってないでしょうか。
自分と同じ意見を見つけて、「やっぱりみんな同じこと思ってたんだ」と安心してないでしょうか。
それ自体が悪いことではないですが、
これは「思考停止」の一歩ですよね。
みんなと同じように自分もそれを良いと思う
みんなと同じように自分もそれを悪いと思う
それに安心している人々が、自分が正しいつもりで誹謗中傷をしてしまうのではないでしょうか。
自分がマジョリティーの中にいるから、自分が正しいから、その人が「悪い」から。
速いインターネットの中で流し見しただけのコメントの大多数に自分が当てはまるだけなのに
思考停止して自分が正しいつもりになってしまうのが誹謗中傷の原因かもしれません。
スピードを選べない
なぜ「遅い」インターネットなのか。
それはこれまで見てきたように、いまのインターネットの行き詰まりの原因はその「速さ」にあると考えるからだ。
先ほど思考停止の話をしましたが、
現代のインターネット社会を生きる中では「速さ」が求められすぎて、ゆっくり考える時間はあると言えるのでしょうか。
LINEで既読がついたあと返事しなかったら「既読スルー」と言われ、
Twitterでリプが遅ければフォローを外され。
インターネットが速いために、その速度に慣れてしまった現代社会では「考える」時間がないのです。
自分と同じ意見があるかを探すためにインターネットを使うのではなく、
世の中にあふれる意見や情報を整理し吟味するためにインターネットを使えないのでしょうか。
この「整理」「吟味」する時間がないことが「速い」インターネットの問題点なのです。
遅いインターネットとは
インターネットの本質はむしろ、、自分で情報にアクセスする速度を「自由に」決められる点にこそあるはずだ。
1日単位で話題が回転する新聞やテレビや、週や月単位で回転する雑誌などと異なり
インターネットは「早く」接することもできれば、「遅く」じっくりと、ハイパーリンクや検索を駆使して回り道して調べながら接することもできる。そんなメディアがいま、必要なのではないか。
そこで、僕はいまあえて速すぎる情報の消費速度に抗って、少し立ち止まって、ゆっくりと情報を咀嚼して消化できるインターネットの使い方を提案したい。
そうすることで僕たちはより自由に情報に、世界に対する距離感と進入角度を決定できるはずだ。
問題点で挙げた通り、「速い」インターネットの問題点は
「整理」「吟味」する時間がなく、思考停止を招きやすい点にあります。
そこで本書では、「遅い」インターネットとして
- ハイパーリンクや検索を駆使して回り道をして調べながら
- 速すぎる情報の消費速度に抗って
立ち止まりつつ、ゆっくり情報を咀嚼して消化する必要性を述べています。
当記事で紹介したのはほんの一部です。
本書では現代社会に蔓延する問題点を指摘し、これからの生き方について提唱しています。