みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。
つい先日(2月11日)、
野球界に悲しいニュースがありましたね。
ノムさんの愛称で数々のチームを勝利に導き、
古田敦也さんや田中将大投手を育てたことでも有名ですよね。
そんなノムさんの著書の中でも
などの悩みを抱えたビジネスマンにぜひ読んでもらいたい、
リーダーとしての考え方や人材育成について
述べられている1冊をご紹介したいと思います。
チームを勝利に導いた実績、人材育成の実績。
そこから導かれるリーダー論は
野球だけにとどまらずビジネスでも活かせる内容です。
それでは紹介していきますね。
部下を育成する者の心得
部下の育成は多くのビジネスマンにとって課題でしょう。
古田敦也さんや田中将大投手をはじめ
数々の名選手を育て、数々のチームを好成績に導いたノムさん。
そこにはどんな「育成」の心得があったのでしょうか。
部下を育成する者の心得1.部下の要求を把握する
部下を育てることに悩みを抱えている人の多くは
と「指示」に対する部下の動きに不満を抱えたりするもの。
本書では、「指示」を円滑に進めるために必要なこととして
「部下の要求を把握する」ことを挙げています。
選手と監督の「要求」も常に相反する。
【選手から監督への要求】
1.能力を評価してほしい。
2.自分に求めるものを教えてほしい。
3.結果が出なくても、過程を認めてほしい。
4.ライバルより評価が低い理由を教えてほしい。
5.自分の意見への評価を教えてほしい。【監督から選手への要求】
1.自主性を持ってほしい。
2.その試合が持つ意味を理解してほしい。
3.監督が何をしてほしいか自覚してほしい。
4.野球は勝つことが仕事だと認識してほしい。
5.ファンが要求する何かにこたえてほしい。指導者には「条件」や「タイプ」があるし、立場が異なる指導者と部下の「要求」も正反対だ。
指導者がそれを把握しておけば、部下への指示も円滑に進む。
部下を育てる立場にある人は
と自分の要求にフォーカスしがちです。
ただ、多くの人は自らを評価してもらうこと、
ひいては「より多くのお金を稼ぐこと」を要求するもの。
そのため
と「評価が低い理由」を提示するなど
部下の要求を把握した上で指示することで
円滑に進むとのこと。
もちろん
そう、評価を気にしているのは「野心のある」人。
本当にやる気のない人に評価を提示するのは逆効果でもありますね。
あくまでも「部下の要求」を把握することが必要です。
部下を育成する者の心得2.答えを言わない
次に、部下を育てることの悩みといえば
と部下が育たないことに対するものが多いですよね。
本書では、部下を育てる上で必要なこととして
「答えを言わない」ことを挙げています。
私は毎日のようにミーティングを行っていたが、心がけていたことがあった。
それは「答えを全部言わない」こと。
答えを教えてしまうと「きっと教えてくれるだろう」と考えなくなる。
思考が止まれば進歩も止まる。答えは選手に言わせ、考えさせ、責任を持たせる。指導者とは、「気づかせ屋」である。相手が自分で気づくようにもっていくことが、指導者の手腕である。
(中略)
指導者は答えを言ってはならない。部下が困って聞いてきたときに的確なアドバイスを施せばいい。
ただ教えることは「ティーチング」であり、導くことこそ「コーチング」なのだ。
私個人としてはこれにとても共感しました。
以前の記事にあるのですが、
「答えを言わない」ことは教える側の心得として重要なことです。
部下の育成に説明は逆効果?塾講師の経験から得た教える側の心得
部下を育てる立場にある人は
と関連したことを次々と説明したりしがち。
ただ、部下からすれば混乱のもと。
まずは次々と説明することを辞めてみることが必要です。
そしてできれば
など、
「なぜAとBが関連づくのか」を「気づかせる」
ような動きができるといいですね。
最終的にはすべてを気づかせることができるのがいちばんですが、
とりあえず「気づかせる」ことを意識して
「ダラダラとした説明を辞める」ことから動き出してみましょう。
リーダーとしての振る舞い
次に、リーダーとしてどのように振る舞うべきか、という点について
本書のなかで印象に残った部分を抜粋してみました。
リーダーとしての振る舞い1.任せて任せず
部下でなくても、メンバに対して
と不満を持つこともあるでしょう。
本書では、
「信じる」こと、そして「任せっぱなしにしない」こと
これがリーダーに必要なことだと述べています。
リーダーが選手を育てるには、まず選手を「信じる」ことから始めないといけない。
(中略)
同様のことを「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助さんが言われていたそうだ。
「任せて任せず」。
その仕事を一番好きな人に任せるのが、好結果が出る場合が多い気がする。
だが、任せっぱなしにしてはいけない。
しっかり見ていて、「このままではまずい」と思ったらしかるべき策をとらなければならない。いずれにせよ、最後は経営者がすべての責任を持つ覚悟で臨まなければならない。
手を動かすのは基本若手、リーダーは手を動かしてはならない。
これがSE業界の基本です。
そう言い張る人も少なくないでしょう。
ですが、
全く任せきりでよいかというとそれは違うのではないでしょうか。
いざというときに「責任をとる」ためには「任せず」の精神が必要です。
このような精神では、リーダーは務まらないということです。
リーダーとしての振る舞い2.自己顕示欲があってはならない
と言われてもピンとこないかもしれませんが、
私は本書の以下の部分を読んで
ビジネスシーンでも当てはまるように感じました。
特に新人監督は、走者が塁に出ると動きたがる傾向がある。
「黙って戦況を見守っていては、自分が無策だと思われないか」と不安なのだろう。(中略)
監督が派手な作戦を実行しようとするとき、そこに「自己顕示欲」がないかどうか、自問自答すべきである。
選手に「勝つ」という意欲、執念を与え、緊迫感を植え付けるためには、地味だが、手堅い作戦が要求される。
SE業界であれば、だれしもKPTなどを用いて
案件の振り返りなどを実施したことがあると思います。
そのような振り返りの際、
新たに開発責任者に就いた人に限って
自動化できるツールを作って運用も大幅に変えよう!
などと「派手な改善」を提案したりすることはないでしょうか?
「せっかく開発責任者になったんだから、自分の色を出そう」
と鼻息を荒くしがちですよね。
ですが、このような派手な改善は得てして
- チームの運用に沿わない
- チームメンバの状況にマッチしない
などの理由で継続しません。
「自分の色を出そう」とするのは自己顕示欲であって、
本当にチームのことを思った改善ではないと言えます。
たとえ派手でなくても、手堅くチームのためになることを確実にできること。
それがリーダーに求められるものです。
まとめ:真のリーダーになるには
最後に、私が本書の中で印象に残ったところをお伝えします。
私は、指導者の基準として以下の5つを考えている。
1.野球(チーム、選手)を愛している。
2.自分の信念を曲げない。
3.個人的感情に左右されず、選手を起用する。
4.自分が得た理論を粘り強く選手に反復させる。
5.これでよいと妥協しない。(中略)
まずは、自らの属している組織を愛し、そのメンバーを愛すること。
すべてそこから始まる。
それに加えて、信念、公平さ、辛抱強さ、妥協しない精神を兼ね備えている者が、真のリーダーたりえる。
思えば、ノムさんはいつも選手のことを思い、チームのことを思ってボヤいていました。
あのボヤきはまさしくノムさんの愛だったのでしょう。
ID野球というデータに基づいた論理的な野球も、
ノムさんの愛がなければ始まらなかったのです。
まずは自分のチームや自分の配下にいるメンバに目を向け、きちんと向き合うこと。
それができなければ、何も始まらないのです。
リーダーとして心得ておくべきものは
この「愛」なのだと思います。
最後に、野球界にあたたかな愛をもたらしてくれた野村克也さんに
心よりご冥福をお祈りいたします。
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