ら抜き言葉は日本語の進化?日本語学専攻による文法の授業

みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。

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日本語の乱れとかいうけど、正直ら抜きは何が正しいかわからない

と思っていませんか?

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ほりごたつ
確かに身の回りの広告もら抜きのときあるしね。。

最近広告などでも目にする機会が増えた「ら抜き」言葉。

私は今でこそSEですが、もともとは文学部で日本語学を専攻していたので、正直気になってしまいます。。

とはいえ、日本語の乱れ、というのは少し違う気もしており、

今回はら抜き言葉について文学部卒の観点でお伝えしていきます。

この記事の内容

  • ら抜き言葉とは
  • ら抜き言葉は日本語の乱れ?

 

この記事の信頼性

ほりごたつの国語力実績

私は文学部で日本語学を専攻し、日本語の文法を主に研究していました。

今回は文法研究の実績を活かして「ら抜き言葉」についてお伝えします。

ら抜き言葉とは

勉強

そもそもら抜き言葉とは何なのか。

ちょっとこれから簡単なクイズを出すので、皆さんも試しにやってみてください。

Results

#1. 次のうち、正しいのはどれ?

#2. 次のうち、正しいのはどれ?

#3. 次のうち、正しいのはどれ?

finish

全問正解できたでしょうか?

解説の前にポイントを見てみましょう。

ら抜きことばにならないためのポイント

助動詞「れる」「られる」の使い分けを理解すべし!

・五段活用動詞(~ないをつけたとき「ア段」になる)とサ行変格活用(「する」)以外は基本的に「られる」が付く

このポイントを踏まえて解説します。

 解説
① 「食べる」は「~ない」をつけると「食ない」(エ段)
→ 「食べる」は五段活用ではない → 「食べられる」が正解

② 「切る」は「~ない」をつけると「切ない」(ア段)
→ 「切る」は五段活用      → 「切れる」が正解

③ 「見る」は「~ない」をつけると「ない」(イ段)
→ 「見る」は五段活用ではない  → 「見られる」が正解

実はよく使う「食べれない」「見れない」も誤りなんですね。

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意外と間違ってる人、多いよね・・・

このように、本来「られる」が付くべき動詞にも

助動詞「れる」をつけてしまうことを「ら抜き」と呼びます。

 

ら抜きは日本語の乱れの代表格として、よく話題に挙がりますよね。

むしろら抜きの方が浸透している部分もあり、

もはや誤用とも言い難くなってきています。

ら抜き言葉は日本語の乱れ?

会議

前述の通り、「ら抜き言葉」は日本語の乱れの代表格です。

ただ、日本語学を専攻していた身としては、「日本語の乱れ」とひとくくりにしてしまうのは違うかな、と考えています。

 

「ら抜き」は単なる「ら」の省略、というには尚早という根拠として、こんな説があります。

ら抜きになる場面は限られている

例えば以下の用例をご覧ください。

「ら抜き」は使えるときと使えないときがある

(1) 私はエビを食べられない

(2) エビが鯛に食べられ

(1)と(2)のうち、「ら抜き」で言いがちなものと、「ら抜き」では言わないものがありますよね。

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受け身で使うときは確かに「ら抜き」では言わないな・・・

このように、実はすべてが「ら抜き」になりつつあるのではなく、

ある一部分のみが「ら抜き」となっているのです。

 

ではどのタイミングでそうなるのでしょうか。

中学時代の国語の授業を思い出してください。

助動詞「れる」「られる」には4つの意味がありましたよね。

 助動詞「れる」「られる」
① 受け身 例:エビが鯛に食べられる
② 尊敬  例:校長先生が教室に来られる
③ 自発  例:風が涼しく感じられる
④ 可能  例:私はエビを食べられる

この使い方によっては、「ら抜き」では言わないものがある、という説が有力です。

例えば先ほどの例で説明すると、

「れる」「られる」の使い分け

このように、「可能」や「自発」の意味で用いている場合には「ら抜き」でもいえるのに対し、

「受け身」や「尊敬」の意味で用いる場合には「ら抜き」になりません。

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ほりごたつ
なるほど。。

これだけだと?という感じかもしれませんが、

日本語学上では次のような説があります。

ら抜きは日本語の進化

前述のように、意味によって使い分けていることから、

「ら抜き」言葉には

現在4つもの意味を持つ助動詞を意味ごとに使い分けることでより伝わりやすくする意味があるのではないかといわれています。

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ほりごたつ
単に略して乱れたのではなく、使い分けようとした結果という説だね!

このように、「ら抜き」は単なる省略に伴う乱れではなく、

便宜上そうなってきた「進化」と言えるのではないか、と捉えることもできるんですね。

日本語は何もなく変遷はしない!変化には意味がある

いかがだったでしょうか。

このように、日本語の乱れの代表格である「ら抜き」も、

実は意味があって変化しているのでは?という説をお伝えしました。

 

個人的には「ら抜き」は違和感があるので使いませんが、

広まってきているのも事実ですよね。

 

こうした「本来間違っている」言葉について

  • 「若者言葉だ!」と非難する のも
  • 「言葉は移り行くものだから」と「勝手にそうなった」ように言う のも

私は違うかな、と思っています。

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ほりごたつ
「なんで」変化しているのか、が今の日本語を捉えるカギ!

リモートで心の距離まで離さないためにも、

身近な日本語を見つめてみるのも大切です。

 

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ほりごたつ
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