みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。
と聞いたりしませんか?
現在はSEとして働いている私ですが、何年か前は文学部にいる文系の大学生でした。
文系の中でも特に文学部は何をやっているのか、何のための勉強をしているのか見えにくいです。
それもあり、文系はオワコンと思われがち。
▼文系学部の必要性についての記事はコチラ
文系はいらない?文学部卒SEが思う文系学部の重要性
学生時代もいろいろな言葉をかけられたものです。
今回はそんな数々の言葉の中から、特に私が言われてイラっとした言葉をご紹介したいと思います。
文学部に友人がいる人、文学部に彼女がいる彼氏などはこれらの言葉をかけないように気を遣ってくださいね。笑
この記事の信頼性
私は文系未経験ながらSEとなり、現在では開発責任者・サブリーダとして責任ある立場に就いています。
元文系、現理系(?)として今回は文系に求められるものについてお伝えしていきます。
第3位:テストないの羨ましい!レポートなんてコピペでしょ?
テスト期間くらいによく言われるやつですね。
テストに比べて詰め込まなければいけないものが少ないのは認めるとして、
マジレスすると、そもそも大学で修める学問がそんな詰め込みでいいんだっけ?
っていう議論があるのですが一旦さておき。。
一応レポート課題としてはどんなものがあったかをかるーくご紹介。
- モダリティに関する論文を1つ取り上げ、その研究の問題点について述べよ。
- 書き言葉と話し言葉の区別について、歴史的変遷を踏まえて述べよ。
- 『千載和歌集』巻第十五 恋歌五から5首を取り上げ、その詩の美しさについて述べよ。
などなど。
1点目のレポートでいうと、まず「モダリティ」に関する論文のうち、明確な問題点を指摘できるものを探さなければなりません。
▼モダリティについてはこちらの記事で詳しく書いています。
3点目については和歌を5つ選べば良さそうで一見簡単ですが、
ただ美しさを述べるだけでは実はNGです。
和歌に表れるものを読み取るためには、その作者の背景を知る必要があるため、
多くの場合は5つ選んだ場合、5人の作者の歌集などを読み漁ることになります。
教養レベルの講義レポートの題を挙げてみましたが、
これだけでもそのレポートを一つ書くためにいくつもの論文や歌集を読み漁らなければならないことがわかるかと思います。
ビックリしたレポートのお題でいうと、こんなのもありました。
ジブリ映画を1つ取り上げ、それをユング心理学の視点で述べよ。
これは結構出された瞬間からえぇ?!?!?!??という感じでした。
ちなみに。。
文学部でテストがあった場合、レポート以上に面倒なことも笑
私が1年の時に受けた基礎講義はテスト形式でしたが、90分のテストでなんと1問でした。
テストの問題は今も忘れることができないのですが、
「詩とは何か」
これ1問でした。笑
もう試験前になんとか勉強しただけではどうしようもなく、
その講義を自分なりに咀嚼して「知識」ではなく「解釈・思想」レベルでとらえていかないとなんともならないのがわかるかと思います。
テスト前に勉強して、テストですべてを発揮しなければいけない講義よりもラクそうに見えるかもしれませんが、
なんだかんだ文学部だってテスト期間は地獄なのです。
それを知っていただけるだけで文学部としては救われます。。
第2位:何を研究するの?実験もないし・・・
卒業研究とかで忙しくなり、余裕がなくなってきたあたりで理系学生に言われたセリフです。
確かに文学部は他の学部に比べて何を研究しているのか見えにくいと思います。
私自身は「日本語額」という領域だったので、厳密には文学研究ではないですが、
それでも研究のスタートラインに立ったかな、程度にはきちんとやりましたよ。
以下に研究の流れをご紹介します。
①まずは研究したい分野について論文を読み、ここまでの研究としてどのようなものが行われてきたのかを把握
②ここまでの研究を知ったうえで、今後どのような研究をしなければいけないかを考える
③過去の論文・研究に対して問題点を指摘した上で、それを解決するための視点を提示して論じる
それほど理系の人がやっていることと変わらないと思います。
理系の人がいろいろと機材を駆使して実験している中、
私がやっていた日本語額では「この接続は違和感あるけど、用例はあるのかな?」
などといろいろな言葉を組み合わせてひたすら文をつくったり、
小説や雑誌までひっくるめた数々の文の中で実際にその使い方をしている個所はあるのかを探したり。
じゃあ実際に論文を批判できるかというと難しいよね。。
まずは研究テーマを見つけ、
そこに対して「こんな研究をしなければいけない」というところにたどり着くまでが非常に大変
それが文学部でやる「研究」なのです。
理系の人からすれば実験ぽい実験もしていないし、ラクそうに思えてしまうかもしれませんが、
文学部には文学部の研究があることを知っておいていただきたいですね。
第1位
それでは最後に第1位の発表。
文学部って将来なにになる学部なの?
個人的に一番言われて腹が立つ言葉です。
そもそもそのような発言をする人とは大学に見出す意義が異なるので、同じ土俵で会話をしたくありません。
将来何者かになるために学ぶこと、その学びに見出す意義を「職業的意義」と呼びます。
将来医者になりたいと志す人が医学部へ
将来教師になりたいと志す人が教育学部へ
将来弁護士になりたいと志す人が法学部へ
このように将来なりたいものがあって、そこに向けて勉強するために大学へ入った人にとって
大学のもたらす価値の大きいところは「職業的意義」となります。
例えば私の身の回りでも、システムエンジニアになりたくて工学部に入ってプログラミングを学んだ人がいます。
確かにこのように「職業的意義」を求めて大学に入る人は多いでしょう。
しかし文学部に入る人の多くは、「職業的意義」を求めていません。
そこにあるのは未知への欲求です。
本が好きで、もっとたくさんの本、そしてそれの読み方を追求したい
英語が好きで、もっとたくさんの英語に触れたい
古文が好きで、もっとたくさんの古文を読みたい
そういう気持ちに素直になった結果文学部にたどり着いただけで、
将来何になるかを考えて入った学部ではないのです。
私もそうです。
高校時代の私は今思うと割と気持ち悪くて、古文も全文ノートに書き写して全部を品詞分解するレベルでした。
などなどに気づいていくのが楽しかったのです。
別に将来何になるための学びがある学部でもないけれど、
本当に自分で追及したいと思う学問があって、それを学べるというのは幸せなことだと思っています。
文学部はそういうことができる場所だと思っています。
まあ、将来何になる学部なの?と聞かれたら
今度から「システムエンジニアとか?」とでも答えましょうかね。
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