みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。
と漠然とした不安を抱えたりしていませんか?
今回紹介する1冊はコチラ。
出口汪さんといえば、高校時代の国語を思い出す人もいるのではないでしょうか。
本書は、そんな国語のエキスパートが
これからの時代に必要な日本語力について述べている一冊です。
それでは今回も書評に移っていきたいと思います!
AIに負けない仕事をするために日本語力が必要な理由
AIに負けないためになぜ日本語力が必要なのか。
本書では2つの観点から、日本語力が必要となる理由が述べられています。
AIに負けない仕事に”日本語力”の理由1.感性
本書には以下の通り述べられています。
言語と感性は密接な関係をもっています。
私が子どもの頃は、二十四色のクレパスしか手に入りませんでした。
そのため、私の世界は二十四色で構成されていたのです。
のちに萌黄色や浅黄色など、古文を学習することで、私の世界はより精妙なものへと再構成されました。
そして、それが私の感性に影響を与えたのは言うまでもありません。
(中略)
つまり、日本人は自分が発する日本語によって自身の感性が磨かれていくのです。
想像してみると、
- AIの漫才は面白いでしょうか?
- AIに接客されたいでしょうか?
2つ目は興味半分でされたい人もいるかもしれませんが、
日本人ならではの「間」を捉えるのはなかなか難しいと思います。
感性を磨くために、日本語を鍛える。
それがAI時代に必要な日本語力というわけですね。
AIに負けない仕事に”日本語力”の理由2.論理
そしてもう1点が論理。
本書では以下のように述べられています。
私たちは朝から晩まで、生涯にわたって読む・考える・話す・書くといった日常的な営みを繰り返していきます。
しかし、それらはすべて日本語の使い方に過ぎません。
多くのビジネスパーソンが必要に駆られて、「読書術」「思考術」「会話術」「文章術」などの本を読んだり、
セミナーを受講したりするのですが、結局は表面的なテクニックを学習するだけで、日本語の使い方を変えない限り、実際には何の役にも立たないのです。
仮に、おいしくても不味くても、美しくても残酷でも
「ヤバい」しか使わずにその言語内で表現しきれてしまう感性だったとします。
その状態で会話術を学んだところで、変わると思えるでしょうか。
そう、何も変わりませんよね。
術という論理性だけでなく、それを使いこなすための感性の両方が必要です。
私たちは常に考え、時に発信しています。
それを豊かな感性によって考え、
そしてきちんと伝わる論理性をもって発信していかなければ
AIにかなわないのです。
AIに負けない仕事をするために日本語力を鍛えるメソッド
それではここからは、本書の記載に則って
日本語力を鍛えるための問題を抜粋していきます。
AIに負けない仕事に必要なメソッド1.敬語の距離感
本書では以下の問題が挙げられていました。
居酒屋での発言です。次の敬語表現を適切な日本語に直しなさい。
課長、ご説明させていただきます。
強いていうのであれば、「させていただく」が二重敬語なので
「課長、ご説明いたします」くらいがちょうどいいかもしれません。
が、それはビジネスの場での話。
この問題のミソは居酒屋での発言であるという点です。
- 答えはコチラ
- 課長、聞いてください
ビジネスの場であれば少し違和感のある敬語表現でも、
居酒屋での発言では「親密感」として相手との距離が適切にとられた表現になります。
先ほど述べた
- AIの漫才
- AIに接客
に違和感を覚えるのも、
この日本語ならではの距離感や間が機械には難しいからでしょう。
そう、つまり、
敬語表現をTPOに沿って正しく使いこなしつつ、
相手との距離感や間を大切にして感性を磨いていくこと。
これがAIに勝つために必要なメソッドの1つ目です。
AIに負けない仕事に必要なメソッド2.論理力
2つ目が論理力。
本書では以下のように述べられています。
私たちは日々膨大な情報を目にしているのですが、これらの要点を明確に読み取ることと、それらの論理的関係を理解することで、その情報を消化することができるのです。
その結果、それは自分の中で整理できているので、ストックとして蓄積できるし、いつでも取り出し、人に論理的に説明ができるようになります。
そして、その論理的関係としておさえるべきポイントとして、
- イコール
- 対立
- 因果
の3点を挙げています。
具体的にどのようにおさえるのか。
本書では以下の問題が挙げられていました。
次の文章を30字以内でまとめなさい。
3.11以後権力者側にとって不利な情報が隠蔽される可能性があることが明らかになった現在において
あくまで正しい情報を元に有権者が正しい判断を下すという民主主義はそもそもの前提条件が崩された以上成立しがたいということができる。
主語の修飾部に主述が入っていたりとわかりにくいポイントがあるので、
少しかみ砕いてみます。
この文において重要なのは「民主主義が成立しがたい」という主述関係です。
これを述べるために、民主主義の前提として「正しい情報をもとに有権者が正しい判断を下す」を挙げ、
一方現在はその前提と対立していることを述べているのです。
と、このように
重要な部分をおさえたうえで論理的に読み取るのも、
AIには難しいとのこと。
文の核となる主述をおさえて論理的に読むこと。
そのための「イコール」「対立」「因果」の把握が必要なんですね。
AIに負けない仕事をするには「感性」と「論理性」で勝負
ここまで述べてきた通り、
今後鍛えていくべきは以下の2点。
- 距離感や文脈をつかむ感性
- 要点をおさえる論理性
日本語で感性を磨くこと。
そして日本語で論理的に読み、伝えること。
それが今後必要なんですね。
本書ではこれらの日本語力を鍛えるための例題が上がっており、
学生時代に戻った気分で楽しみながら日本語力を再確認できますよ!
気になったらぜひ読んでみてください。
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