COBOL需要を解説

COBOL(コボル)の需要はない?現役COBOL開発者がCOBOL需要を解説

みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。

現在プログラミング勉強中の方や、現役SEの方は

他人アイコン
COBOLなんてもう需要ないでしょ

と思ったりすることもあるでしょう。

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ほりごたつ
実は意外とまだ需要あるんだよ!

私は現在、COBOLを扱うSEとして働いています。

今回はCOBOL開発者として、以下の2点についてお伝えしていきます。

この記事の内容

  • COBOLに需要がある理由
  • COBOLに需要があると言える事例

 

この記事の信頼性

 

ほりごたつの国語力実績

私は文系未経験ながらSEになり、

現在では開発責任者も任されています。

COBOLを扱って5年目を迎えた身として

今回は現場の実態をお伝えしていきます。

COBOL(コボル)にまだ需要がある理由

レビュー

以下、世間でよく言われていることをざっくりまとめました。

相互運用性・移植性 1.0
高速処理・並行処理 4.5
管理コスト・維持コスト 1.0
まとめ 2.5

この評価から言える点は以下の通りです。

COBOLに需要がある理由

高速処理・並行処理に強み
→事務処理に適している

相互運用性・移植性が低い
→刷新しないかぎり、既存システムの運用が必要

それぞれ見ていきましょう。

COBOLに需要がある理由1.事務処理に適している

1つめのポイントが、高速処理・並行処理に強いということ。

よく「システム」と聞いて思い浮かべるオンラインシステムであれば、

あくまで「人の操作」がインプットなのでそこまで大量処理は求められないかもしれません。

オペレーター

 

ですが、口座振替とかの「毎月知らぬ間にきちんと動いてるなー」系システムは

「データ」がインプットなので時によって大量処理になります。

サーバ

大量に口座振替処理をしたい金融系・保険系などは

まだまだCOBOLメインで動いているという話ですね。

COBOLに需要がある理由2.刷新が困難

2つ目に、COBOLは相互運用性や移植性が低いことが挙げられます。

これは一部だけ別の枠組みを使ったり

ほかの枠組みと互換性を持たせたりが難しい、ということ。

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ほりごたつ
つまり、一部置き換えるのではなく刷新するしかCOBOLを捨てる道はない!

では今すぐに刷新(別の言語で再構築)できるのかというと、それも難しいだろうと思います。

その理由として以下が挙げられます。

 越えなければいけない壁
1.どうしても一部だけを刷新するのは難しい
2.一気にエイってやるには莫大な時間・費用がかかりリスクが大きい
3.大量件数の処理速度はまだまだJavaなどでも追いつけない(らしい)

先ほど述べた通り、COBOLを使っている業務の多くは

保険や金融業界になります。

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ほりごたつ
全部を一気に刷新した結果、システムが止まったら大損害

刷新はとてもリスキーなのです。

 

かといって一部だけ刷新するのは

移植性が低いことから難易度が高くなります。

 

実際今取引しているお客様が

ひとつの業務だけを刷新しようとしていますが、

他業務との互換性などのもろもろを踏まえた調査・検討に莫大な時間を要している印象です。

 

そして何より、

先ほど述べたCOBOLの強みもあるので一気に捨てることはできないでしょう。

COBOL(コボル)に需要がある事例

バグ

さて、ここまでCOBOLに需要がある理由を述べてきましたが、

最近気になるニュースがありましたので

「COBOLにまだ需要がある事例」として紹介したいと思います。

アメリカ・ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事が、
2020年4月4日の記者会見で「プログラミング言語COBOLのスキルを備えたボランティアが必要です」と訴えました。
その背景には、新型コロナウイルスの影響で失業保険の請求が急増しているため、
COBOLで記述された古いシステムの改修や維持管理を行える人材が必要になったという事情があります。

(中略)

60年以上前に開発されたプログラミング言語の技術者が2020年になって必要とされているのは、
COBOLが開発環境の中心だった時代に作られた失業保険システムが今なお現役で使用されているためです。

出典:Gigazine 新型コロナウイルスの影響で「半世紀以上前のプログラミング言語の使い手」が急募される事態に

このニュースで問題になったのも

「保険」という大量処理が必要なシステムです。

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ほりごたつ
金融・保険業界ではまだまだ使用されている例だね。

先ほど述べた通り、

COBOLはそろそろ捨てて別言語で再構築したいもの。

一般的には「古いシステム」と言えるでしょう。

 

しかし、このニュースで問題になっている通り、

若手でCOBOLを使いこなせる人がいないことが

大きな問題を生むこともあるようです。

 

2025年の崖という言葉もある通り、

COBOLで構築されたような古いシステムは

今後ますます使える人がいなくなり、人手不足が深刻化することが考えられます。

2025年の崖

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いちばんいいのは人手不足が深刻化する前に

新しい言語によるシステム再構築ができることなのでしょうが、

それをやりきれる人手も少ないのかもしれません。

 

もしCOBOLやってみたいけど需要ないだろうな・・・

と思う人がいたら、この記事を読んで改めて考えてみてもらいたいです。

もしかしたらどこかで必要とされるかもしれません。

 

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