みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(@horigotatsuSE)です。
と悩んでいませんか?
今回紹介する1冊はコチラ。
突然ですが、みなさんは職場(あるいは学校でも)悩みはありますか?
多くの人が何かしらの悩みがあると思いますが、
その多くは人間関係にまつわるものですよね。
そして人間関係に悩む多くの人はコミュニケーションに悩んでいることでしょう。
本書では、アドラー心理学をより職場でつかえる実践的な形で示しています。
職場でのお願い事がうまくいかない人や、
いろいろ押し付けられているのに断れない人など
職場コミュニケーションに悩んでいる人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
それではさっそく本紹介に移っていきましょう!
職場コミュニケーションに悩んだらアドラー心理学を学ぼう
本書はアドラー心理学を職場で実践するための具体策に触れられていますが、
そもそもアドラー心理学とはどのようなものなのでしょうか。
本書を読むにあたり最低限知っておくとよいアドラー心理学の基本を
少しまとめてみました。
アドラー心理学とは
①「縦の関係」を否定する
→有益か無益か、建設的か非建設的かという視点で判断する
②行為と人の混同をやめる
→指摘はあくまでも「行為」に向けて行う
③不完全さを認める勇気をもつ
→自分の失敗を恐れず、他者の失敗も責めない。相手を裁かず、罰も与えない
アドラー心理学のポイント1.「縦の関係」を否定する
アドラー心理学では、縦の関係を否定しています。
人間に上も下もなく、横の関係のみが存在しているという考え方です。
この「横の関係」について
本書では以下のように述べられています。
横の関係とは、
すべての事柄に上下、優劣、勝負、正誤をつけずに
「有益」か「無益」か、「建設的」か「非建設的」か、だけで考えることです。
たとえば、
仕事で見積をしたとします。
このセリフには「優劣」という縦の関係が含まれてしまっています。
こちらの見積の方が顧客の納得度は高いのではないだろうか。
と、「建設的」か「非建設的」かという視点で伝える、
これが「横の関係」です。
アドラー心理学のポイント2.行為と人の混同をやめる
アドラー心理学では、行為と人を分離します。
たとえば非建設的な行為をした人がいたとして
「ミスをする」という非建設的な行為のみを指摘すればいいところを
「オマエはダメだ」と人の否定をしてしまっていますよね。
このように「行為と人を分離」することが、アドラー心理学では大切にされる考え方です。
この「行為と人の分離」でポイントとなるのが
アドラー心理学ではほめることもいけない ということです。
次の例を見てみましょう。
このセリフを
「上司が部下に」「先生が生徒に」「親が子どもに」言うことはあっても
「部下が上司に」「生徒が先生に」「子どもが親に」言うことはありませんよね。
「ほめる」という行為自体が、上下関係を前提としたものだと言えるのです。
例えば、頑張って成果をあげた部下がいたとします。
このとき、
と言うのではなく、
などと、「自分がどう感じたか」を伝えるようにするのです。
これにより「横の関係」で思いを伝えることができ
言われた側が次につなげるための「勇気づけ」をすることが可能になるのです。
この「勇気づけ」を「行為に対して」行うことがポイントとなります。
アドラー心理学のポイント3.不完全さを認める勇気
そして最後のポイントが、
「人間は完全でないこと」を認める勇気をもつことです。
人間が完全であると思っているからこそ、
と自分を責めたり
と他者を責め、挙句に罰しようとしたりします。
しかしこのような「責める」「罰する」行為は
前述した通り、「非建設的」な行為です。
本書では以下のように述べられています。
仕事とは顧客の問題を解決し、顧客に満足を提供し、その対価として利益をいただく行為です。
つまり、仕事にまつわるすべての行為は「顧客の問題解決」と「顧客満足の創出」に向けられなければなりません。
しかし、先にあげた職場の仲間に対して向けられる「相手を裁き、罰し、懲らしめる」行為は顧客の問題解決にも満足の創出にもつながりません。
(中略)
ですから、職場において私たちは自分の留飲を下げるために行う、相手を裁くこと、懲らしめることをやめなければなりません。
そのような非建設的な行為に時間を割くことをやめ、もっと建設的なことに費やすのです。
建設的な行為とは、顧客の問題解決と顧客満足の創出につながる行為です。
本書に述べられている内容のなかでいちばん大切にしたいポイントは
私たちが本当に目指すべきものは
「顧客の問題解決と顧客満足の創出である」ということです。
その最大の基本方針を踏まえたうえで、
職場コミュニケーションにどう活かしていくかを次に述べていきます。
職場コミュニケーションの基本は相互尊敬・相互信頼
本書では、アドラー心理学を職場コミュニケーションに応用するための基本として
「相互尊敬・相互信頼」を挙げています。
その最大の基本方針を踏まえたうえで、
いかに実践していくかのポイントが本書でまとめられています。
今回はその中でも重要だと思ったポイントをまとめていきたいと思います。
相互尊敬・相互信頼へのポイント
①自分基準をすてる
→話す3割、聞く7割
②口出しをしない
→何の裏付けがなくても信頼する
職場コミュニケーションのポイント1.自分基準を捨てる
と、突然言われても驚くかもしれません。
たとえば、あなたが何か話すたびに
とあなたの会話に指摘を入れたり
と話をすり替えられたりしたとして
気持ちよく話せたと思えるでしょうか。
そう、これでは「相互尊敬」とは言えないのです。
「その話に意味があるかどうか」はあくまで自分の基準です。
と自分基準を捨てて、相手の目線になること。
と自分の思いを伝えるときも、きちんと相手の話を出し切るまで聞くこと。
これが職場コミュニケーションの基本である
「相互尊敬」につながっていきます。
こういった聞き方も含めて
具体的にどのような職場コミュニケーションをとるべきか
については本書をじっくり読んでみてください。
口出しをしない
そして最後に、
「口出し」や「世話焼き」をしないことがポイントとして挙げられます。
そもそも、人はなぜ口出しや世話焼きをしてしまうのか、
本書では以下の2点を挙げています。
口出しや世話焼きの原因
①他者を信頼していないこと
②自己満足
1つめが「他者を信頼していないこと」です。
失敗するに違いない
など思い込んでしまうため、
余計な口出しや世話焼きをしてしまうのです。
2つめは「自己満足」です。
上記のように
と相手を「ダメな存在」に仕立て上げ
「優しく指導してあげる自分」という存在を自画自賛する。
このような自己満足のために口出しをしてしまうのです。
やることは一つ。
経験を積めば必ずできる
など、何の裏付けもなくても信頼することです。
この「信頼」が職場コミュニケーションの基本である
「相互信頼」につながっていきます。
本書では、
口出しをしないために具体的にどのような職場コミュニケーションをとるべきか
についてポイントをまとめて述べられているのでぜひ読んでみてください。
なぜなぜ分析は心理学的に誤り?
いかがだったでしょうか。
ここまで「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを目指して
やるべきことをまとめてきました。
最後に、私が本書を読んでいちばん印象的だった箇所をお伝えします。
「過去の原因分析を重視するのではなく、課題解決に焦点をあてる」こと
みなさんは、なぜなぜ分析やKPTなどを記載したことはあるでしょうか。
本書ではこのような原因分析は「心理学的に誤り」と述べられています。
私も過去にあわや本番障害というバグが発覚した際記載しましたが
と「失敗の原因」や「問題箇所」を追究する中で
「犯人探し」になった経験があります。
これは前述した、
「相手を裁き、罰し、懲らしめる」行為につながりますよね。
つまり、このような原因分析は
顧客の問題解決にも満足の創出にもつながらないものといえるのです。
そのため本書では、
なぜなぜ分析のような根本原因の分析は物理学的に正しいが
心理学的には誤っている、と述べています。
原因分析は一般的に、解決策を考えるための通過点ですよね。
この解決策に焦点を当てるのがポイントです。
これに焦点をあてて考えていくことがポイントだそうです。
ほかにもDESC法など、職場コミュニケーションのポイントが
わかりやすく述べられていますので、皆さんもぜひ読んでみてください!
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